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病院・老人ホームの床を守る——フロアワックス&クリーニング完全ガイド

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病院・老人ホームの床を守る——フロアワックス&クリーニング完全ガイド

病院・老人ホームの床を守る——フロアワックス&クリーニング完全ガイド

2025/09/15

病院・老人ホームのフロアワックス&クリーニング完全ガイド

——安全・清潔・転倒防止をいちどに叶える運用術

「床がピカッとしていると、施設の印象まで明るくなる」——これは気分の問題だけではありません。病院や介護施設の床は感染対策・転倒リスク・スタッフの作業効率に直結する“設備”そのもの。この記事では、医療・福祉の現場目線で、フロアワックスとクリーニングの基本から、失敗しない運用、素材別の注意点、夜間・休診日の進め方、年間スケジュールまでを、現場でそのまま使える形でまとめました。


1. なぜ医療・介護現場に「床の戦略」が必要なのか

  • 感染対策:床は落下した飛沫・粉じんの“最終地点”。日常除塵+湿式清拭が基本。定期洗浄でバイオフィルム化(ヌメリ)を防ぎます。

  • 転倒防止:ワックスや洗浄後の滑り抵抗は、入居者・患者・スタッフの安全に直結。光沢=安全ではありません。

  • 印象と作業性:輝度と清潔感は患者・ご家族の心理的安心に貢献。床表面の平滑性が上がると日常清掃が軽くなり、コスト最適化もしやすくなります。


2. 素材の違いを知る:ここを間違えると全部が台無し

医療・介護施設で多いのは、長尺シート(塩ビ系)/タイル(PVC)/リノリウム/ノンワックス床など。

  • 長尺シート・PVCタイル:洗浄・ワックスの相性が良い定番。剥離時はpH・希釈・すすぎを徹底し、残留薬剤による変色・白濁を防止。

  • リノリウム:天然素材ゆえ強アルカリ・溶剤系×。表面がアルカリ焼けを起こしやすい。中性〜弱アルカリ・低回転・軟らかいパッドで。

  • ノンワックス床(フッ素・UV硬化などの工場コーティング)ワックス塗布は原則不可。メーカー指定のクリーナーで洗浄し、保護は専用コートやメンテ剤で。

  • 木床・フローリング:医療・介護施設では少ないが、水分・アルカリ×。必要なら油性・水性コートを別設計に。

迷ったら施工前に目立たない場所でパッチテスト。**SDS(安全データシート)**の確認と併用が鉄則です。


3. ワックス?コーティング?——目的別の最適解

  • ポリマー系フロアワックス

    • メリット:光沢・再生性・補修が容易。部分補修が利く

    • 注意:アルコール・消毒液で白化しやすい製品も。耐薬品性で選定

  • 高耐久コーティング(UV・ガラス系ほか)

    • メリット:耐久・耐薬品性が高く剥離頻度を抑制

    • 注意更新は専門工事になりがち。既存ワックス除去が前提

医療・介護現場では、**「耐薬品性」「滑りにくさ」「補修性」**の3点で比較検討を。消毒剤や手指衛生との共存を想定した選定が成功のカギです。


4. 正しいプロセス:剥離→洗浄→中和→乾燥→塗布→乾燥

  1. ゾーニング&動線確保
    陰圧・陽圧や患者・入居者の動線、緊急搬送ルートを最優先。夜間・休診日分割施工で業務を止めない。

  2. 除塵・前処理
    マイクロファイバーで徹底除じん→固着汚れは低回転スクラバーで。

  3. 剥離(必要時)
    低臭タイプ・適正希釈。放置時間を守り、過度な研磨×

  4. すすぎ・中和
    残留アルカリは白濁・黄変・はく離の原因。清水リンスを丁寧に。

  5. 乾燥
    低温・多湿の日は送風・除湿で乾燥時間を確保。半乾き塗布はムラ・曇りの原因

  6. ワックス塗布(またはコート)
    薄塗り複層が基本。初層は“食いつき層”として薄く均一に。

  7. 完全乾燥→立入再開
    ノンスリップサインを設置し、開放タイミングを明確化。


5. “滑らない床”のつくり方:安全第一の一工夫

  • 光沢と滑りは別物。高光沢でも乾式・湿式での滑り抵抗を確保できる製品を選ぶ。

  • 水拭き直後は誰でも滑る。立入管理速乾運用(送風・除湿)をセットで設計。

  • 段差・巾木・エレベーター前など“つまずきやすい地点”は塗布量を控えめにし、エッジを作らない


6. 臭気・騒音・安全配慮:24時間施設の当たり前

  • 低臭・低VOCの薬剤を選定。夜間・早朝静音機材(デシベル管理)を使用。

  • 換気計画:ナースステーション・居室側へ臭気が流れないよう風向・陰圧を確認。

  • 資機材の消毒:搬入機材は事前拭き上げ。退出時もタイヤ・コードの拭浄まで。

  • アレルギー・化学物質過敏へ配慮し、SDS提示無香料運用を基本に。


7. 日常清掃を“仕組み化”する:スタッフ教育のコア

  • 除じん優先:モップ前にドライダストコントロール。砂粒が残ると微細傷→くもりの原因。

  • 湿式は“絞り勝ち”:水分が多いほど滑り・白化・付着の原因に。

  • マイクロファイバーパッドの色分け:トイレ・病室・共用部で色管理し、交差汚染を防ぐ。

  • スポットクリーニング:吐瀉物・体液の一次処置は、汚染拡大を防ぐ手順を共有(次亜希釈の扱いは床材適合を確認)。


8. 年間メンテナンス設計(例)

  • 日次:除じん→湿式拭き/状況で自動洗浄機(静音)

  • 週次:自動洗浄機で中性〜弱アルカリ洗浄、出入口を重点

  • 月次:**表面再生(スプレーバフ)**で光沢と滑りのバランス調整

  • 半期洗浄+追い塗り(薄層1〜2回)

  • 年1状態を診断し、剥離の要否を判断(剥離は回数が多いほど床に負担。最小限に)

重要なのは「決めた頻度を守る」より、利用状況・薬剤使用量・光沢・滑り抵抗モニタリングして可変運用にすること。


9. 施工前のチェックリスト(コピペOK)

  • 施工エリア・床材の種類メーカー仕様書の有無

  • 消毒剤運用(アルコール・次亜)の濃度と使用頻度

  • ゾーニング(開放・封鎖/迂回動線/緊急搬送ルート)

  • 施工時間帯(夜間・休診日・分割)と騒音上限

  • 臭気配慮(無香料必須の病棟・居室有無)

  • SDS・賠償保険・緊急連絡体制

  • 写真・作業報告の様式(前後比較、使用薬剤、乾燥時間、注意点)

  • 立入再開時刻注意喚起サインの配置


10. 料金の考え方(目安の“考え方”だけ)

料金は床材の種類・現状(汚れ・古層ワックス)・施工時間帯(割増)・剥離の有無・面積で変動します。
安さだけで判断すると、強い薬剤や過剰研磨→床材劣化のリスクも。長期の総コスト(年間の洗浄回数・剥離頻度・補修のしやすさ)で比較しましょう。


11. よくある失敗と回避策

  • ノンワックス床にワックスを塗ってしまった
    → メーカー仕様を確認。専用クリーナーでの復旧を検討。

  • 剥離剤の残留で白濁
    すすぎ不足が原因。清水リンスを複数回

  • 輝いているのに滑る
    → 製品ミスマッチか塗布量過多薄層多回ノンスリップ配慮で再設計。

  • 臭気クレーム
    低臭薬剤・換気・分割施工で事前に回避。臭気の流れを読んでゾーニング。


12. 現場でそのまま使える「案内文」テンプレ

患者様・ご入居者様へ

本日、〇〇時〜〇〇時の間、共用部床面の洗浄・ワックス作業を行います。
施工中は一部通路を封鎖し、迂回のご協力をお願い致します。
作業後30分程度は乾燥時間のため、滑りやすくなります。黄色のコーン表示に従ってお通りください。
においが気になる場合はスタッフまでお申し付けください。低臭資材を使用しております。


13. こんな施設に“今すぐ”おすすめ

  • 車椅子・歩行器の往来が多く、黒筋汚れが取れにくい

  • アルコール白化が目立ち、見た目が不均一

  • 転倒事故防止の観点で床を見直したい

  • 夜間・休診日の限られた時間で、段取りよく仕上げたい


14. まとめ——床は“見た目”以上の医療・介護インフラ

床は、感染対策・安全・働きやすさ・印象を支える“インフラ”。
素材を見極め、低臭・低騒音・安全第一のプロセスで運用すれば、転倒リスクを抑えつつ清潔と効率を両立できます。
ポイントは3つ——

  1. 素材適合の洗浄&保護

  2. ゾーニングと動線設計

  3. 日常清掃の仕組み化とモニタリング

床が整うと、現場は驚くほど回り出します。
次の診療・ケアに集中できる環境を、床からつくりましょう。

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